Wi-Fi7は2024年から利用開始された、新しい通信規格です。
最大通信速度が46Gbpsまで出ると言われており、Wi-Fi7に大きな期待を抱いている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではWi-Fi7について詳しく解説していきます。
従来の通信規格であるWi-Fi6との違いについても深掘りします!
Wi-Fi7とは?概要をチェック
Wi-Fi7とは、日本で認可されている通信規格(ルール)の1つです。
みなさんがよく耳にする”Wi-Fi”ですが、この通信規格のもと運用されているのはご存じでしょうか。
Wi-Fi7はこの通信規格の最新バージョンです。
2023年末まではWi-Fi6/Wi-Fi6Eという通信規格で運用されていました。
通信規格 | 策定年 |
---|---|
Wi-Fi4 | 2007年 |
Wi-Fi5 | 2013年 |
Wi-Fi6/6E | 2019年 |
Wi-Fi7 | 2024年 |
数字が大きくなるにつれて最新の規格となります。
最新の規格になればなるほど、通信速度などの許容度が高くなり、ユーザーにとっても利便性が向上します。
過去の流れから見ると、約4~6年ごとに新しい通信規格へ進化していますね!
Wi-Fi7の概要
最大通信速度 | 46Gbps |
---|---|
IEEE規格 | 802.11be |
周波数帯 | 2.4GHz/5GHz/6GHz |
チャンネル幅 | 320MHz |
変調方式 | 4096-QAM |
その他機能 | MLO (Multi-Link Operation) |
Wi-Fi7のメリットは?Wi-Fi6との違いも解説します
ここまでの説明で、Wi-Fi7が”Wi-Fiの最新ルール”であることは分かったと思います。
ではWi-Fi7は具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Wi-Fi6との違いも一緒に解説していきます!
通信速度が高速化&安定しやすくなる
まず、Wi-Fi7とWi-Fi6の最大通信速度を比較して見ましょう。
通信規格 | 最大通信速度 |
---|---|
Wi-Fi7 | 46Gpbs |
Wi-Fi6 | 9.6Gbps |
Wi-Fi7における最大通信速度は46Gbpsとなっています。
従来のWi-Fi6は最大通信速度が9.6Gbpsなので、Wi-Fi7の最大通信速度は約5倍です。
最大通信速度という”限界値”が引き上げられたことにより、実際の通信速度も向上が見込めます。
さらにWi-Fi7とWi-Fi6では活用できる帯域幅に違いがあります。
通信規格 | 帯域幅 |
---|---|
Wi-Fi7 | 320MHz |
Wi-Fi6 | 160MHz |
Wi-Fi7では最大通信速度が向上するうえに、帯域幅が広がり回線が混雑しづらくなります。
これは道路に例えたら分かりやすくなりますよ!
通信規格 | 法定速度 | 車線数 |
---|---|---|
Wi-Fi7 | 120キロ | 2車線 |
Wi-Fi6 | 80キロ | 1車線 |
Wi-Fi7のほうがスピードが速く、渋滞が起きづらいということが想像できるかと思います。
【ちょっと難しい話】変調方式も違う
Wi-Fi6とWi-Fi7では変調方式も異なります。
変調方式とは、音や映像、データなどの情報を遠くまで届けるために電波に乗せて送る方式のことを指します。
通信規格 | 変調方式 |
---|---|
Wi-Fi7 | 4096QAM |
Wi-Fi6 | 1024QAM |
Wi-Fi6の1024-QAMというのは、一度に1024通り(10bit)のデータを送れる方式です。
その一方でWi-Fi7の4096-QAMというのは、一度に4096通り(12bit)のデータを送れる方式です。
Wi-Fi7のほうが一度に送れるデータ量が1.2倍増加し、通信速度も高速になります。
新たな周波数を利用できる
Wi-Fi7では新たな周波数を利用できるようになりました。
Wi-Fi6に対応した周波数と比較してみます。
- Wi-Fi7
-
2.4GHz/5GHz/6GHz
- Wi-Fi6
-
2.4GHz/5GHz
Wi-Fi6では2.4GHzと5GHzの2種類でしたが、Wi-Fi7では6GHzが追加され3種類の周波数を使えるようになりました。
6GHzはどんな用途にも使われていない周波数であり、干渉を起こしづらいという特徴があります。
逆に2.4GHzや5GHzはWi-Fi以外でも使われる周波数のため干渉が起きやすくなっています。
周波数 | 用途 |
---|---|
2.4GHz | Bluetooth/機器電子レンジ/テレビ |
5GHz | 気象レーダー/航空レーダー |
6GHz | なし |
現状使われてなく干渉が起きづらいということは、通信速度も安定しやすくなります。
そのため、新たな周波数(6GHz)を利用できるのは大きなメリットです。
最適な周波数を選んでくれる
Wi-Fi7という規格に対応すると、最適な周波数を自動選択してくれるようになります。
6GHzだけ使っていれば問題ないのでは?と思ったかもしれませんが、2.4GHzや5GHzも使いどころはあります。
3つの周波数の特徴を見てみましょう。
周波数 | 速度 | 範囲 | 強度 |
---|---|---|---|
2.4GHz | △ | 〇 | 〇 |
5GHz | 〇 | △ | △ |
6GHz | ◎ | △ | △ |
6GHzは通信速度は速くなりやすいですが、電波が届く範囲は狭いのです。
例えば1階にルーターがあるのに2階で接続しようとすると、通信速度が遅く感じてしまうことがあるかもしれません
そんなときには、障害物に強い2.4GHzを選ぶほうが快適にインターネットを楽しめます。
ただ、毎回周波数を選ぶのはめんどうですよね。
Wi-Fi6までは自分で周波数を選ぶ必要がありましたが、Wi-Fi7からは状況に応じて周波数を切り替えてくれます。
1階にいるときは6GHz、2階に上ったら2.4GHzに切り替えるなど…
このように切り替える必要があるなら、自動選択してくれる機能は嬉しいですよね。
このような状況では、自動選択してくれるラクですよね。
Wi-Fi7の注意点は”対応している端末が少ない”こと
ここまで紹介してきた通り、Wi-Fi7は良い所だらけの通信規格です。
ただ1つだけ注意するべきポイントがあります。
それは「対応している端末が少ない」ということです。
ちなみにiPhone15(2023年発売)もWi-Fi7には対応していません!
まだ新しい規格なので、対応している端末がかなり少ないです。
ただ、先日発表されたiPhone16シリーズでは、全モデルがWi-Fi7に対応することが発表されました!
それを皮切りにどんどん普及していくと考えられます。
きっと1年~2年後には、Wi-Fi7対応が当たり前になっていますよ。
Wi-Fi7対応のルーターもまだ少ない
端末(スマホ・パソコン)の普及もまだですが、ルーターも対応していないものがほとんどです。
参考までにビックカメラの通販サイトで調べてみると、Wi-Fi7に対応しているルーターは8種類だけでした。
スマホやパソコンに対する普及が進んでいないため、ルーターもあまり製造されていないようです。
ただ、Wi-Fi7の普及が進むにつれて、Wi-Fi7対応ルーターがたくさん出てくると考えられます。
個人的にはルーターがたくさん出てきたときに、比較しながら選ぶのがおすすめです!
コスパが良いルーターも販売されるはずなので、比較できるぐらい出揃ってから決めるぐらいでいいと思いますよ。
Wi-Fi7はどんな場面で活用できる?
現在主流のWi-Fi6は最大通信速度が9.6Gbpsとなっており、これでもかなり十分だと感じる人がほとんどでしょう。
光回線では1Gbpsでも”超高速”と言われます!
そのため、46Gbpsほどの通信速度は必要なのか疑問ですよね。
Wi-Fi7はどんな場面で活用できるのか具体例を挙げてみました。
- 4Kや8Kなどの超高画質動画の視聴
- VR・ARなどの次世代技術利用
特に超高画質の動画視聴などでは、ストレスゼロで視聴できるようになるでしょう。
Wi-Fi7に対応すれば、8Kといった映画・動画もサクサクです。
またVRなども高水準な通信速度が求められますが、こちらもストレスなく楽しむことができるようになります。
あとはたくさんの端末を接続しても、通信速度が低下しづらくなります!
最大通信速度(限界値)が大きくなるため、複数台でシェアしても通信速度が安定しやすくなるのです。
そのため大人数で使うことが多い場合なども、Wi-Fi7の性能を感じることができるかもしれません。
ホームルーターはWi-Fi7に対応している?
現在Wi-Fi7に対応しているホームルーターはありません。
ホームルーター | 通信規格 |
---|---|
ソフトバンクエアー | Wi-Fi6 |
home5G | Wi-Fi6 |
auホームルーター5G | Wi-Fi6 |
楽天ターボ | Wi-Fi6 |
ただ、スマホやパソコンがWi-Fi7に対応するのに合わせて、ホームルーターもWi-Fi7に対応したものが出てくるかもしれません。
ホームルーターがWi-Fi7に対応したら、光回線を越える快適性が手に入るかも…
開通工事しなくても光回線並みの速度が出たら嬉しいですよね。
Wi-Fi7に対応したホームルーターが出ることを期待しておきましょう!
まとめ
この記事では、新しい通信規格であるWi-Fi7について解説してきました。
Wi-Fi7が普及することで、以下のようなメリットが生まれます。
現在はメジャーな通信規格ではありませんが、iPhoneのWi-Fi7を皮切りに、どんどんWi-Fi7が普及していくことでしょう。
Wi-Fi7が利用できる日が楽しみですね!