スターリンクは、スペースX社が提供しているインターネットサービスです。
20年8月にアメリカで提供開始して以降、欧米諸国を中心にエリアを拡大してきましたが、22年10月についに日本でも利用できるようになりました。通信インフラが破壊されたウクライナに無償提供したことでも有名ですね。
SNSを見てみると「試してみたい」「速度や料金はどうなんだろう」などスターリンクに関する投稿が増えています。衛星通信を利用した次世代サービスということで、注目度も高まっています。
本記事では、スターリンクの基本情報や評判、メリット・デメリットなど幅広い情報を用意しました。ぜひ参考にご覧ください。
スターリンクのプラン内容
プラン | レジデンシャル | ROAM |
---|---|---|
エリア | 全国 (一部地域を除く) | 全国 (一部地域を除く) |
月額料金 | 6,600円 | 9,900円 (利用していない月は無料) |
初期費用 | 36,500円※ 通常73,000円 | 36,500円※ 通常73,000円 |
契約期間 違約金 | なし | なし |
下り速度 (予想) | 20~100Mbps | 5~50Mbps |
上り速度 (予想) | 5~15Mbps | 2~10Mbps |
レイテンシ (予想) | 25~50ms | 25~50ms |
下り速度はダウンロード速度
上り速度はアップロード速度
レジデンシャルが自宅用のプランで、ROAMがアンテナを持ち運んで自宅以外でも利用できるプランです。
当初は東京~北海道までがエリアでしたが、現在は一部地域を除いて全国で利用できるようになりました。
初期費用は現在、キャンペーンによって73,000円のところが36,500円と半額となっています。検討している方は、今がお得に利用できるチャンスです。
また月額料金に関しても、レジデンシャルで23年1月13日に6,600円に値下げされ、一般的な光回線の月額料金に近い水準まで落ち着いています(サービス開始当初は12,300円)。
また、ROAMも現在は9,900円(サービス開始当初は13,700円)に値下げされています。値下げされたとはいえ、依然として高額ですが、ROAMは利用していない月の料金は無料となります。
専用アンテナを設置すると利用できる
スターリンクに申し込むと、専用アンテナの入ったスターリンクキットが送られてきます。
スターリンクは、衛星を利用したインターネットサービスなので、通常の光回線のように作業員が来て回線工事をするのではなく、専用アンテナを設置すれば利用できるようになります。
「アンテナの設置ってなんか大変そう」と思うかもしれませんが、説明書通りに組み立て、上空を広く見渡せる場所に設置するだけです。特に難しい作業ではありません。
アンテナの角型モデルのサイズは51×30センチ、高さ54センチ、重さ4.2キロほどなので、1人で持ち運べるほどの大きさです。
30日間お試し期間がある
スターリンクは、30日間の無料お試し期間を設けています。
利用してみて満足できなかった場合は、郵送されてくるアンテナなどを返品すれば、全額返金してくれます。
初期費用の高いサービスなので、いきなり本契約となると不安になりますから、これは安心ですね。
スターリンクの評判
衛星通信を活用したまさに次世代サービスのスターリンクですが、評判はどうなのでしょうか。
Twitterの投稿をいくつか紹介します。
速度についての評判
通信速度への評判は「光回線よりも速い」「home 5G(ホームルーターよりも速い」など、良い評判が目立った印象です。速度に関して悪い口コミはほとんどありませんでした。
衛星通信ということで、未知な部分も多いですが、評判は悪くないみたいですね。
また、ADSL(デジタル加入者線)のサービスが終了し、光回線が整備されていない地域でもニーズがあるそうです。そのようなエリアスターリンクを利用しても、通信速度が速いとの口コミがありました。
最後の口コミには「雪が降っても使える」という声も見られました。アンテナを利用するので天候にされることに懸念がありましたが、下り速度が113Mbpsも出ていると問題なさそうですね。
- 速度に関する評判は高い
- 悪天候でも利用できるとの口コミあり
料金についての評判
料金については、「初期費用が高い」との口コミが多くありましたが「初期費用高いけど光回線が使えないエリアだと助かる」「月額は安い」というポジティブな意見もありました。
キャンペーンで初期費用を73,000円から36,500円に値下げしているとはいえ、高いと感じる方が多くいるようです。
ただ、下2つの口コミのように、光回線が利用できないエリアにお住まいの方にとっては「助かる」「アリだね」など少々高額であってもサービスを利用する価値はあるとの見方をされています。
- 料金は「高い」との口コミが多い
- 光回線の提供エリア外の人は「アリだね」との意見も
そのほかの評判
スターリンクは、災害用としてのニーズもあるようです。
利用者の多い光回線やスマホ回線は、災害によるダメージで通信障害が発生するケースがあります。
スターリンクは、衛星通信のため災害の影響を受けにくいため「災害用のサブ回線として欲しい」という声も多いようです。
- 災害用のニーズがある
- サブ回線として考えている人も多い
スターリンクのレビュー
衛星通信を利用したインターネットということで、まだ馴染みのない方も多いかと思います。先ほど紹介した評判を見ただけでは、いまひとつ使用しているイメージが湧かないでしょう。
そこで、YouTubeチャンネル「僕テス」を運営するToshiさんがスターリンクのレビュー動画を公開していましたので、ぜひ参考にご覧になってみてください。
チャプターをつけて分かりやすくまとめられています。
スターリンクのメリット
光回線が開通できないエリアでも利用できる
スターリンクは、光回線の開通ができないエリアでも、利用することができます。
光回線は、山間部やへき地では利用できないケースが依然として多く、安定したインターネット環境を整備するのが困難でした。
しかし、スターリンクは衛星通信を活用したインターネットなので、空の見渡しの良いエリアであればどこでも利用可能です。
外出先でも利用できる
スターリンクは、レジデンシャルで契約してポータビリティオプション(月額2,800円)に加入すると、契約先住所以外で利用することが可能です。
また、ROAMの場合は、旅行先で利用が可能です。
アンテナを持ち運びしなければならないので、やや面倒に感じるかもしれませんが、光回線と同等の通信品質を、外出先でも体感できるのは、今までのインターネットサービスには無かった魅力と言っていいでしょう。
災害の影響を受けにくい
スターリンクは、災害時時の非常用インターネット回線としての需要もあります。
災害時、光回線は回線が混雑してインターネットが接続できない事態になることが多く、スマホの5G、4GLTE通信も、基地局が災害によってダメ―ジを負ってしまうとインターネットが利用できなくなります。
衛星通信のスターリンクは、災害の影響が軽微であるため、緊急時でも通常通りインターネットを利用することが可能です。
工事不要でインターネットを利用できる
スターリンクは、アンテナを設置するだけでインターネットを利用することができます。
アンテナの設置も簡単なので、業者に依頼して設置してもらう必要はありません(自宅の屋根など、高所に設置する場合は業者に依頼しましょう)。
スターリンクキットが届き、アンテナを設置すればすぐ利用することができます。
悪天候に強い
スターリンクは、衛星通信で上空からの電波をキャッチしてインターネットに接続します。そのため、悪天候時の利用について不安の声もありました。
ただし、スターリンクサポートページには「雪、雹、みぞれ、大雨、極度の暑さなど、さまざまな気温や気象条件に対応できるように設計およびテストされています」と記載があるので、多少速度低下するものの、全くインターネットが利用できないということはなさそうです。
また、アンテナには耐雪機能を標準装備しており、豪雪地帯向けのアンテナも提供しているので、天候が不安定な地域にお住まいの方も利用できます。
スターリンクのデメリット
料金が高い
スターリンクは、光回線に比べて料金が高くなります。
スターリンク | 光回線 | |
---|---|---|
月額料金 | 6,600円 | 4,500~5,500円 |
初期費用 | 36,500円 ※通常73,000円 | 25,000~30,000円 |
光回線の場合「~ヶ月間は月額割引」「~年間利用すれば開通工事費実質無料」など、キャンペーンが充実しているので、上記の料金よりもさらに安く抑えることができます。
また、スターリンクの料金は今後変更になる可能性もあるので、その点も注意しておく必要があります。
初期費用の分割払いができない
スターリンクは、初期費用を分割支払いすることができません。
光回線初期費用である開通工事費は、相場で2,5000~30,000円ほどかかりますが、基本的に分割払いは可能です。
しかし、スターリンクは専用アンテナ代やルーター代など、計36,500円の初期費用を一括で払わなければなりません。
高額な料金なので、申込前には必ず確認しておきましょう。
スターリンクがおすすめの人
光回線の提供エリア外に住んでいる人
光回線が開通できないエリアにお住まいの方は、スターリンクがおすすめです。
スターリンクであれば山間部やへき地など、ネット環境が未整備のエリアであっても、衛星通信によってインターネットを利用することができます。
ホームルーターやポケット型WiFiなどと比較しても通信が安定しやすく、自宅用のインターネット回線として使いやすいのもメリットです。
引っ越しの多い人
引っ越しの多い方もスターリンクがおすすめです。
スターリンクは、引っ越し時の撤去工事、新居で開通工事をする必要がなく、アプリで新規契約先住所の申請をするだけで住所変更手続きができます。
また、ポータビリティオプションに加入すれば、契約先住所以外でも利用可能なのでわざわざ申請する必要もありません。
引っ越しの多い方は、スターリンクがおすすめです。
アウトドアが趣味の人
アウトドアが趣味の人は、スターリンクのROAMがおすすめです。
ROAMは、アンテナとルーターを持ち運んで、キャンプ地などで利用することができます。
また、車の屋根にアンテナを設置すれば、移動中もインターネットに接続可能です。
同じく持ち運んで利用できるポケット型WiFiよりも通信が安定しやすいので、アウトドアでインターネットを利用する方はスターリンROAMを検討してみましょう。
好奇心旺盛な人
好奇心旺盛な方は、スターリンクをぜひ一度利用してみることをおすすめします。
冒頭からお伝えしている通り、衛星通信を利用した今までのインターネット回線とは全く異なる新サービスです。
好奇心が強く、新しいテクノロジーを体感したいという方は、契約してみるのもアリです。
スターリンクの利用までの流れ
- アンテナ
- アンテナベース
- Wi-Fiルーター
- 接続ケーブル
- 電源コード
上記5点が入ったスターリンクキットが届きます。
室内ではなく、上空が見渡せるエリアに設置しましょう。屋上や屋根に設置するのがおすすめです。
専用アプリから、Wi-Fiを接続することができます。
法人の場合はKDDIからも申込が可能
22年10月に、KDDIが代理店のような形式でスターリンクの法人向けサービス「スターリンクビジネス」と「サテライトモバイルリンク」の販売を開始しました。
これにより、KDDIからでも法人向けサービスは契約可能となっています。
スターリンク公式ホームページと違って全て日本語表記のため、スムーズに契約することができます。
まとめ
速度の評判:速度の評判は良い。衛星通信ということで不安視された悪天候時の通信も問題ない
料金の評判:料金の評判を見ると「高い」という声が多数。光回線が繋がらないエリアでは「助かる」との声も
その他の評判:そのほかの評判に注目すると、災害時のサブ回線とのしてのニーズもあるとの声もあった
スターリンクの評判やメリット・デメリットを中心に解説していきました。
まだ日本に進出して日が浅く、みなさんにとって馴染みのないサービスかもしれませんが、すごく魅力の詰まったサービスと分かっていただけたかと思います。
現在、光回線が主流となっている日本のインターネット回線ですが、今後はスターリンクなど新たなテクノロジーを活用したサービスがシェアを広げていく可能性もあります。
スターリンクの動向に目が離せません。